雌牛(30〜36)
そしておまえの主が天使たちに、われは地に代行者をなす、と仰せられた時のこと、彼らは言った。「あなたは悪をなし、血を流す者をそこに創り給うのですか。われらはあなたへの称賛をもって賛美し、あなたに対して崇めまつるというのに」。彼は仰せられた。「まことにわれは、おまえたちの知らないことを知っている」。(2:30)
そして彼はアーダムに諸々の名前をそっくり教え、それからそれらを天使たちに示し、言い給うた。「これらの名前をわれに告げよ、もしおまえたちが正しければ」。(2:31)
彼らは言った。「称えあれ、あなたこそ超越者。あなたがわれらに教え給うたこと以外にわれらに知恵はありません。まことにあなた、あなたこそはよく知り給う英名なる御方」。(2:32)
彼は仰せられた。「アーダムよ、彼らにそれらの名を告げてやるがよい」。彼が彼らにそれらの名を告げると、仰せられた。「われは諸天と地の見えないことを知っており、おまえたちが明かすものも隠したものも知っているとおまえたちに言ったではないか」。(2:33)
また、われらが天使たちに、「アーダムに跪拝せよ」と言った時のこと、彼らは跪拝したが、イブリースは別であった。彼は拒み、思い上がった。そして彼は不信仰者たち(のうちの一人)であった。(2:34)
また、われらは言った。「アーダムよ、おまえは、そしておまえの妻も、楽園に住め。そしてどこでも望むところで(望みのままに)存分に食べよ。だが、この木には近づいてはならない。そうすればおまえたちは不正な者たち(のうちの二人となる)であろう」。(2:35)
それで悪魔が二人をそこから躓き出でさせ、二人のいたところから彼らを追い出した。そしてわれらは言った。「落ちて行け。おまえたちは互いに敵である。そして、おまえたちには、地上に一時の住処と食糧がある」。(2:36)