日亜対訳クルアーン写経ブログ

(出典元) 中田孝[監修]・中田香織・下村佳州紀[訳]『日亜対訳 クルアーン [付] 訳解と正統十読誦注解』、松山祥平[著・訳]「クルアーン正統十読誦注解」、黎明イスラーム学術・文化振興会[責任編集]、作品社、2014

解説

『やさしい神さまの話』の元になった『タウヒードについての書簡(Ris±lah fµ al-TawƵd)』の著者アルスラーン・ブン・ヤークーブ・アル=ディマシュキーはダマスカスで没したイスラーム学者ですが、その生涯については殆ど何も知られていません。没年について…

あとがき

おまえのすべては隠れたシルク(多神崇拝)であり、おまえがおまえ自身から抜け出さない限り、おまえのタウヒード(アッラーこそ唯一なる御方とすること)を彼(アッラー)が明かし給うことはない。ゆえに、おまえが(おまえから抜け出すことにおいて)誠実…

著者の前書き

この翻案を始めるきっかけを作ったのは、わたしの姪でした。ヴィザの話をしたのも、当時不登校気味だった姪が自分の居場所を見つけあぐねているのかと思ったからでした。彼女は、実家のすぐ近くに住んでいて、わたしが里帰りする度「ありがたい話」をせがむ…

序文

知れ、―アッラーがおまえにすべての良きことを教え給い、一挙一動において過ちから守り給いますように― アッラーに対するシルク(多神教) ―罪の中でももっとも忌まわしく、恥ずべき行為のうちもっとも汚れたこの行為からの守護をアッラーに求めます― をアッ…

やさしい神さまのお話

(1)神さまはひとり 神さまはひとりです。 神さま以外のものはみな対(つい)になっています。 「対」とは、ペアーのことです。テニスのペアーのように、ふたりで一組になることです。 たとえば、おとうさんとおかあさんは対です。おとうさんひとりでは子…

雌牛(253〜256)

これらの使徒は、われらが彼らのある者たちを別の者たちよりも優遇した。彼らの中にはアッラーが語りかけ給うた者もあり、ある者たちは彼が位階を高め給うた。また、われらはマルヤムの子イーサーには諸々の明証を与え、彼を聖霊(天使ジブリール)によって…

雌牛(249〜252)

そこでタールートが軍たちと共に出征した時、彼は言った。「まことにアッラーはおまえたちを川で試み給う。それでそれを飲む者は私には属さず、それを口にしない者こそ私に属す。ただし、手で一掬いする者は別である」。だが、彼らのうち少数を除き、それか…

雌牛(246〜248)

おまえはムーサーのあとのイスラーイールの子孫の長老たちを見なかったか。彼らが彼らの預言者に、「われらに王を遣わしてくれ。我らはアッラーの道において戦う」と言った時のこと。彼は言った。「おそらくおまえたちは、戦いがおまえたちに課せれても、戦…

雌牛(238〜245)

諸礼拝と中間の礼拝を守れ。そして(礼拝時は)アッラーに対して従順に立て。(2:238) それでもしおまえたちが恐れるならば、徒歩のまま、または騎乗のまま。そして安全になったらアッラーを念じよ。おまえたちが知らなかったことを彼がおまえたちに教…

雌牛(233〜237)

そして母親たちは子供たちに満二年授乳をする(必要がある)。授乳を全うすることを望む者に関する(規定である)。そして父親には彼女たちの糧と衣服が良識に従って課せられる。人は自分の器量以上には(重荷を)課せられない。母親は子のことで苦しめられ…

雌牛(229〜232)

離婚は二度である。それから良識をもって引き留めるか、心尽くしをもって去らせるかである。おまえたちが彼女たちに与えたものからなにかを取り戻すことは許されない。ただし、彼ら二人が自分たちがアッラーの諸法度に則ることができないことを恐れる場合は…

雌牛(224〜228)

そして、アッラーを口実にしてはならない。善をなし、畏れ身を守り、人々の間を取りもつ(ことをしない)というお前たちの誓約のための。そしてアッラーはよく聞きよく知り給う御方。(2:224) アッラーはおまえたちの誓約における軽はずみに対してはお…

雌牛(219〜223)

彼らは酒と掛け矢についておまえに問う。言え、「その二つには大きな罪と人々への益があるが、両者の罪は両者の益よりも大きい」。また彼らは、なにを(善に)費やすべきかとおまえに問う。言え、「余分なものを」と。こうしてアッラーはおまえたちに諸々の…

雌牛(216〜218)

おまえたちには戦いが書き定められた、おまえたちにとっては嫌なものであろうが。だがおまえたちはなにかを、おまえたちにとって良いことでありながらも嫌うかもしれない。そしてアッラーは知り給うが、おまえたちは知らない。(2:216) 彼らはおまえに…

雌牛(211〜215)

イスラーイールの子孫に問え、われらが彼らにどれだけの明白な徴をもたらしたかと。そしてアッラーの恩寵をそれが訪れた後に替えるものがあれば、アッラーは応報に厳しい御方。(2:211) 不信仰者の者たちには現世が飾り立てられ、また信仰する者たちを…

雌牛(201〜210)

また、彼らの中には、「われらが主よ、現世において良きことを、また来世において良きことを与え給え。そして、われらを極火の懲罰から守り給え」と言う者がいる。(2:201) それらの者には、彼らの稼いだものの分け前がある。そしてアッラーは精算に素…

雌牛(196〜200)

そして大巡礼と小巡礼をアッラーのために完遂せよ。もし、おまえたちが遮られたなら、無理のない犠牲。そして犠牲がその解禁地に届くまでおまえたちの頭を剃ってはならない。それでおまえたちのうち病気の者や頭に疾患のある者には、代償は、斎戒、または喜…

雌牛(191〜195)

そして彼らを見つけ次第、彼らを殺せ。そして彼らがおまえたちを追い出したところから彼らを追い出せ。そして迫害は殺害よりもより重大である。しかし禁裏モスクでは彼らがそこでおまえたちに戦いをしかけるまでは彼らと戦ってはならない。だが彼らがおまえ…

雌牛(187〜190)

おまえたちは斎戒の夜、おまえたちの妻たちへの睦言が許された。彼女たちはおまえたちの衣であり、おまえたちは彼女たちの衣である。アッラーはおまえたちがおまえたち自身欺いていたのを知り、おまえたちを顧み戻り、おまえたちにを赦し給うた。それゆえ、…

雌牛(182〜186)

ただし、遺言者からの(による)不公平や不正を恐れるものがいれば、彼らの間を調停しても、それに罪はない。まことにアッラーはよく赦し給う慈悲深い御方。(2:182) 信仰する者たちよ、おまえたちには斎戒が書き定められた、ちょうどおまえたち以前の…

雌牛(177〜181)

忠義とは、おまえたちの顔を東や西に向けることではない。そうではなく忠義とは、アッラーと最後の日、諸天使、啓典、諸預言者を信じ、その愛着にもかかわらず財産を近親たち、孤児たち、貧者たち、旅路にある者、求める者たちに与え、奴隷たち(の解放)に…

雌牛(170〜176)

そして、彼らは、「アッラーが下し給うたものに従え」と言われると、「いや、われらはわれらの父祖がその上にあるのをわれらが見出したもの(父祖の立場)に従う」と言う。彼らの父祖がなにも理解せず、導かれていなかったとしてもか。(2:170) そして…

雌牛(164〜169)

まことに、諸天と地の創造、夜昼の交替、人に役立つものと共に海を行く船、アッラーが天から下し、それによって大地をそれが死んだ(草木が枯れ果てた)後に生き返らせその(大地の)中であらゆる動物を散らばらせ給う雨水、風向きの変更、天と地の間で駆使…

雌牛(154〜163)

またアッラーの道において殺された者を死者と言ってはならない。いや、生きている。ただ、おまえたちは感知しない。(2:154) そして確かにわれらはおまえたちをなんらかの恐怖や飢え、そして財産、命、収穫の損失によって試みる。そして忍耐する者には…

雌牛(146〜153)

われらが啓典を与えた者たちは自分の息子を識るように彼を識る。しかし、彼らの一部は知っていながら真理を隠すのである。(2:146) 真理はおまえの主から。それゆえ、決して疑う者たち(の一人)となってはならない。(2:147) そしてそれぞれに、…

雌牛(141〜145)

これはすでに過ぎ去った民である。彼らにはその稼いだものがあり、おまえたちにはおまえたちが稼いだものがあり、おまえたちは彼らがなしていたことを問われることはない。(2:141) 人々の中の愚か者たちは言うであろう。「なにが彼らに、彼らの向いて…

雌牛(134~140)

これはすでに過ぎ去った民である。彼らにはその稼いだものがあり、そしておまえたちにはおまえたちの稼いだものがあり、おまえたちは彼らがなしたことを問われることはない。(2:134) また彼らは言った。「ユダヤ教徒に ―またキリスト教徒に― なれ、導…

雌牛((125〜133)

また、われらがこの館を人々の戻り行く場所とし、また、安全地帯とした時のこと。「イブラーヒームの立ち処を礼拝の場とせよ」。また、われらはイブラーヒームとイスマーイールに、周回する者たち、御籠りする者たち、跪拝する者たちのためにわが館を清める…

雌牛(117〜124)

諸天と地を創始し給う御方。そして彼が事を決め給う時には、それにただ、「あれ」と仰せられれば、それはある。(2:117) また、知識のない者たちは、「アッラーがわれらに話しかけ給うのか、徴が現れることはないのか」と言う。こうして、彼ら以前の者…

雌牛(110〜116)

また、礼拝を遵守し、浄財を払え。そしておまえたちがおまえたち自身のために前もって(現世)でなしておいた善行は、おまえたちはアッラーの御許にそれを見出そう。まことにアッラーはおまえたちのなすことを見通し給う御方。(2:110) そして彼らは、…