日亜対訳クルアーン写経ブログ

(出典元) 中田孝[監修]・中田香織・下村佳州紀[訳]『日亜対訳 クルアーン [付] 訳解と正統十読誦注解』、松山祥平[著・訳]「クルアーン正統十読誦注解」、黎明イスラーム学術・文化振興会[責任編集]、作品社、2014

雌牛((125〜133)

 また、われらがこの館を人々の戻り行く場所とし、また、安全地帯とした時のこと。「イブラーヒームの立ち処を礼拝の場とせよ」。また、われらはイブラーヒームとイスマーイールに、周回する者たち、御籠りする者たち、跪拝する者たちのためにわが館を清めることを命じた。(2:125)



 また、イブラーヒームが、「主よ、ここを安全な町とし、その住民に果実の糧を与え給え。彼らのうちアッラーと最後の日を信じる者たちに」と言った時のこと。(アッラーは)仰せられた。「信仰を拒絶するものにも。それで彼にはしばしの楽しみを与え、その後、極火の懲罰に追い込もう。また、なんと悪い行き着く先か」。(2:126)



 またイブラーヒームとイスマーイールがこの館の礎を上げた時のこと。「われらが主よ、われらから(神殿造営を)嘉納し給え。まことにあなたはよく聞き、よく知り給う御方」。(2:127)



 「われらが主よ、われらをあなたに帰依する二人の者とし、われらの子孫からあなたに帰依する共同体を成し給え。また、われらにわれらの祭儀を示し、われらに顧み戻り給え。まことにあなたはよく顧み戻る慈悲深い御方」。(2:128)



 「われらが主よ、彼らの間に彼らのうちより使徒を遣わし給え。彼らにあなたの諸々の徴を読み(聞かせ)、啓典と英知を教え、彼らを清める(使徒を遣わし給え)。まことにあなたは威力比類なき英知ある御方」。(2:129)



 そして己自身を愚弄した者以外に誰がイブラーヒームの宗旨からの離反を望むであろうか。そして確かにわれらは彼を現世で選別した。そして、彼は来世では義人たちの一人となろう。(2:130)



 彼に彼の主が、「帰依せよ」と仰せられた時のこと。彼は言った。「私は諸世界の主に帰依いたしました」。(2:131)



 イブラーヒームは彼の子孫にこれを言い残し、ヤアクーブ(ヤコブ)も。「わが子孫よ、まことにアッラーはおまえたちに宗教を選び給うた。それゆえ、帰依者としてでなければ断じて死んではならない」。(2:132)



 では、おまえたちはヤアクーブに死が訪れた時に目撃者であったか。その時、彼は子孫に言った。「わたしの後、おまえたちは何に仕えるか」。彼らは言った。「われらはあなたの神、あなたの父祖イブラーヒーム、イスマーイール、イスハークの神、唯一の神に仕えます。われらは彼に帰依するものです」。(2:133)