日亜対訳クルアーン写経ブログ

(出典元) 中田孝[監修]・中田香織・下村佳州紀[訳]『日亜対訳 クルアーン [付] 訳解と正統十読誦注解』、松山祥平[著・訳]「クルアーン正統十読誦注解」、黎明イスラーム学術・文化振興会[責任編集]、作品社、2014

雌牛(56〜61)

 


 それから、おまえたちの死後、われらはおまえたちを蘇らせた。きっとおまえたちは感謝するだろうと。(2:56)



 また、われらはおまえたちの上に雲で陰を作り、おまえたちの上にマンヌとサルワーを下した。われらがおまえたちに与えたものの良い物から食べよ。彼らはわれらに不正をなしたのではなく、自分自身に不正をなしたのである。(2:57)



 また、われらが、「この町に入れ。そして、そこから望むものを存分に食べよ」と言った時のこと。「そして平身低頭して(城)門に入り、『御許しを』と言え。そうすればわれらはおまえたちにおまえたちの過ちを赦し、善を尽くす者たちには(報奨)増し加えよう」。(2:58)



 すると、不正をなす者たちは、言葉を命じられたものでないもの(言葉)と言い替えた。それで、われらは不正をなした者に、彼らが背徳したことゆえに天から天罰を下した。(2:59)



 またムーサーが彼の民のために水乞いをした時のこと。われらは、「おまえの杖で岩を打て」と言った。すると、そこから十二の泉が湧き出た。すべての人が自分の水飲み場を確かに知った。「アッラーの糧から食べ、飲むがよい。しかし害悪をなす者たちとなって地上で悪を犯してはならない」。(2:60)



 またおまえたちが、「ムーサーよ、われらはひとつの食べ物では耐えられない」と言った時のこと。「われらのためにおまえの主に、葉野菜やキュウリ、ニンニク(あるいは小麦)、レンズ豆やタマネギのような大地が生やすものを生え出でさせるように祈ってくれ」。(ムーサーは)言った。「よりつまらないものをより良いものの代わりに求めようというのか」。「町へ降りて行くがよい。おまえたちにはおまえたちの求めるものがあろう」。
 そして彼らの上には屈辱と惨苦が襲い、彼らはアッラーの怒りを被った。それは、彼らが背き、矩を超えていたことのためである。(2:61)