日亜対訳クルアーン写経ブログ

(出典元) 中田孝[監修]・中田香織・下村佳州紀[訳]『日亜対訳 クルアーン [付] 訳解と正統十読誦注解』、松山祥平[著・訳]「クルアーン正統十読誦注解」、黎明イスラーム学術・文化振興会[責任編集]、作品社、2014

雌牛(253〜256)

 


 これらの使徒は、われらが彼らのある者たちを別の者たちよりも優遇した。彼らの中にはアッラーが語りかけ給うた者もあり、ある者たちは彼が位階を高め給うた。また、われらはマルヤムの子イーサーには諸々の明証を与え、彼を聖霊(天使ジブリール)によって支えた。そしてもしアッラーが望み給うたならば、彼らの後の者たちは諸々の明証がそれらの者にもたらされた後に戦い合いはしなかったであろう。だが、彼らは分裂し、彼らの中には信仰した物もいれば、また、彼らの中には信仰を拒んだ者いた。そしてもしアッラーが望み給うたならば、彼らは戦い合わなかったが、アッラーはお望みのことをなし給う。(2:253)



 信仰する者たちよ、われらがおまえたちに糧として与えたものから(善に)費やせ、取引もなく、友情もなく、執り成しもない日が来る前に。そして不信仰者たち、彼らこそは不正な者である。(2:254)



 アッラー、彼のほかに神はない。生き、維持し給う御方。まどろみも眠りも彼をとらえることはない。諸天にあるものも地にあるものも彼に属す。彼の御許可なしに誰が彼の御許で執り成しをなし得ようか。彼らの前にあることも後ろにあることも知り給う。そして彼が望み給うたことを除いて、彼の知識のうちどんなものも彼らにとらえることはできない。彼の玉座は諸天と地を覆って広がり、それら(諸天と地)を支えることは彼を疲れさせない。そして彼は至高にして偉大なる御方。(2:255)



 宗教に強制はない。既に正導は迷誤から明らかにされた。それゆえ、邪神たちを拒絶しアッラーを信じる者は切れない最も堅い握りを摑んだのである。アッラーはよく聞きよく知り給う御方。(2:256)